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宿泊施設

建築士が宿泊施設を運営して分かった「お金をかけるべき場所・かけなくていい場所」

宿泊施設で本当にお金をかけるべき場所とは?
旅館業や民泊のご相談をいただく中で、よくいただく質問があります。

「どこにお金をかければ予約が入る施設になりますか?」

初めて宿泊施設を計画される方ほど、「高級な設備を入れれば選ばれる」と考えがちです。
しかし、建築士として設計を行い、実際に宿泊施設を運営して感じたのは、「お金をかける場所」と「抑える場所」を見極めることが、満足度や稼働率につながるということでした。
① 豪華なキッチンより、使いやすい洗面スペース
宿泊施設では、キッチンを本格的に使うゲストは意外と多くありません。

一方で、洗面スペースはほとんどのゲストが利用します。
特に旅行中は、朝の身支度や夜のスキンケアなど、洗面台を使う時間が長くなります。
鏡が小さい、照明が暗い、物を置くスペースが少ないと、それだけで使いづらさを感じてしまいます。
私自身も運営を通して、洗面スペースの快適さはゲストの満足度に大きく影響すると感じています。

② 照明は空間の印象を大きく変える
照明は後回しにされがちですが、実は部屋全体の雰囲気を左右する重要な要素です。
明るさだけでなく、光の色や配置によって居心地は大きく変わります。
建築士として設計する際は、図面上の照度だけではなく、「その空間でどのように過ごしてほしいか」を考えながら照明計画を行っています。

戸建てを民泊施設へ用途変更した事例

③ 設計段階から衣類乾燥機の設置検討をおすすめしています
宿泊施設では、衣類乾燥機は「あれば便利な設備」ではなく、ゲストの満足度を高める設備の一つだと考えています。
実際に運営をしていると、雨の日や連泊中に洗濯をされるゲストは少なくありません。特に海外からの旅行者やファミリー層は、荷物をできるだけ少なくしたいというニーズがあり、短時間で衣類を乾かせる設備は喜ばれるポイントになっています。

私たちの宿泊施設ではガス衣類乾燥機「乾太くん」を導入していますが、「すぐ乾いて助かった」「タオルがふわふわだった」といったお声をいただくこともあり、ゲストの満足度向上につながっていると感じています。
また、建築士の立場から見ると、衣類乾燥機は後から設置しようとすると、ガス配管や排湿経路、コンセントの位置、設置スペースなどの問題が生じることがあります。
そのため宿泊施設を設計する際には、ランドリースペースの広さや動線も含め、設計段階から衣類乾燥機の導入をご提案しています。
宿泊施設は、豪華な設備を増やすことよりも、「旅行中に本当に便利だった」と感じてもらえる設備を選ぶことが、結果として満足度やレビューにつながると考えています。

小さな設備投資が満足度につながる
宿泊施設では、高価な設備を増やすことだけが満足度向上につながるわけではありません。
実際に運営して感じるのは、「旅行中に本当に役立つ設備」が、ゲストの印象に残るということです。
洗面台も、照明器具、衣類乾燥機も、その一つだと感じています。


最後に
宿泊施設づくりでは、「高価な設備を入れること」が目的ではありません。
大切なのは、ゲストが快適に滞在できる環境を整えることです。
弊社が実際に運営している宿泊施設では、2026年7月の予約の約80%が3泊以上の長期滞在となっており、19泊・9泊・6泊といった長期予約もいただいています。
その結果、2部屋の稼働率は約80.6%、清掃回数は9回と、運営効率の向上にもつながっています。
もちろん、長期滞在には立地や料金設定、コンセプトなどさまざまな要素があります。
しかし、衣類乾燥機をはじめとした「連泊でも快適に過ごせる設備」を設計段階から取り入れることも、ゲストに選ばれる理由の一つだと実感しています。
建築士として、そして実際の宿泊施設運営者として、「許可が取れる建物」をつくるだけではなく、「選ばれる宿泊施設」をつくることを大切にしています。
これから旅館業や民泊を始めたい方、空き家や空室の活用をご検討中の方は、設計から運営までを見据えた施設づくりについて、ぜひお気軽にご相談ください。

宿泊施設は、設備やデザインだけでなく、旅館業として建築基準法に適合していることが前提です。特に、検査済証がない建物や増築履歴のある建物は、計画前の調査が重要です。
「検査済証がない建物を旅館・民泊に活用する前の確認事項」

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